イメージコンサルティングを受けてみた(自分に合う色とは)

色見本宣伝会議が昨年から出している『PRIR』(プリール)[sendenkaigi.com]という広報専門誌があるのです。会社に頼んで毎月購読してるんですが、他の業界の広報スタイルを垣間見ることができて、なかなかに興味深い。もちろん商品・サービスが違うので日産やトヨタの手法をそのまま真似するわけにはいかないのですけれど。

その『PRIR』に創刊号から寄稿されている、イメージコンサルタントの日野江都子さんという方がいらっしゃいます。イメージコンサルタントというのは、企業のお偉いさんなど、人前に出る職業の人に、着る服や動作などについてアドバイスする人です。たとえば、新製品の記者発表会に主催者側代表として出席する、といった場合に、その人の年齢・性別・役職・立場・キャラクター・肌や髪の毛、瞳の色などを考慮して、「ジャケットはこれ、シャツはこれ、ネクタイはこの色、ベルトと靴はこれこれ、あと座る時はこういう姿勢でいると好印象です」というようなことをいってくれるわけです。

私も「色彩検定2級」[aft.or.jp]なんてのを持っていて(以前1級はたしかアパレルでの実務経験が必要だったのであきらめた)、基本的な色の理論に関しては知っているつもりなのですが、ある色が「どういう色か」はわかっても、それが「その人に合うか」という話になるとまったくお手上げで、自分で服を選ぶにも、なんとなくの好き嫌いでしか考えていなかったわけです。

で、その『PRIR』の中で、日野さんが国内外のCEOの資料用写真(株主向けのアニュアルレポートとかに載せるやつ)とか、広報担当者の服装に対して、これはここがいいとか、ここがよくないとかをコメントするコーナーがあります。これが面白い。どこぞのファッション評論家のセレブ批評とは正反対で、しっかりした理論と、納得できるコメント力がある。ただの悪口じゃなくて「プロの批評」になっているんです。

で、日野さんがずーっと気になっていたので、先日ご本人に会ってコンサル受けてきました。2時間弱くらいで55,000円だったかな。さあ、これをコストと見るか投資と見るか? (私の受けたコースではない、テーマを絞ったちょっと安いコースができたみたいです。詳しくは日野さんのWebサイト[thelookbest.com]参照)

事前に調査票が送られてきて、たとえば「これから就職なのでまずは面接写真で好印象を与えたい」とか「記者会見があるのでアドバイスを」などの具体的な目的と、ふだん自分がどういう服を選んでいるかという好みの話を聞かれます。

当日青山の事務所にお伺いして、マンツーマンでのコンサルティング開始。びっくりしたのが、日野さんが、相対して座った瞬間「森さんは細身でいらっしゃっいますよね・・・そのワイシャツはオーダーですか?」と聞かれたこと。某ブランドのパターンオーダーで作ったスーツと深野羅紗店で作ったシャツを着ていったんですが、見る人が見ると、シワの入り方の違いで「この人のスーツは少し大きくて、ワキの部分が余ってシワになっているが、シャツにはシワが出ていない。よってシャツは体に合わせてオーダーしたに違いない」と一発でわかるようです。

問診(?)のなかで「まわりからどういう人だって言われます?」という質問をされたんですが、なかなかふだんから「私ってどういう人?」って聞いて回っているわけではないので「うーん・・・」と考え込む私。「服装について何か言われたこととか?」それもあんまり思いつかない・・・。

おおまかに自分の肌の色の傾向を見る方法として、金色と銀色の布に手を置いてみる、というのをやりました。肌の色自体はもちろん変わらないわけですが、まわりの色を変えることで、どちらか一方がもう一方より肌がキレイに見えるんですよ。

続いて鏡の前で、いろんな色の布を肩から胸にかけて当ててみて、肌や目、髪の毛の色とのバランスを見ます。これも不思議なくらい顔色に影響するんですよ。私の場合、青や緑は基本的に似合う色なんですが、あまり反射の強い(鮮やかな)ものだと、青や緑の光の反射がアゴに当たって、ヒゲが濃くみえてしまう。

黄色はダメでしたね。純粋な黄色だけではなく、たとえば赤いネクタイでも橙色に近いものはダメで、ワインや紫に近いものならOK。意外と似合って自分でも驚いたのが青紫。といっても派手な紫ではなくて、藤色っていえばいいのか、ペールな紫がいい。

ここまで進んで「あ、そういえば」と思い出したのが、以前、黄色のワイシャツを買って来てみた時、周囲に「どうしたの?」と言われ、自分でも落ち着かなくて、それ以来着なくなってしまったこととか、カジュアルな服装の時に紫のシャツを着ていって同僚の女性陣にほめられたこと。
言葉で聞かれても思い出せない記憶も、色を見ながらだと簡単に出てくるんですね。

あとはネクタイ、ベルト、靴の話と、写真を撮られる時の注意点(奥歯を意識する、とかね)なんかを教えてもらって、あとは企業広報コンサル現場の興味深いお話を伺って終了。

後日、写真のような「自分に合う色リスト」と、詳細な報告書が送られてきます。これでもう、服の色については迷わないですみそうな気がしますね。似合わないスーツ1着の値段を考えれば安いもんじゃないですか? 


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