今年の3月、ライブドアvsニッポン放送ネタの時に「今後興味があるのは堀江氏の政界進出くらいかな」と書いたのはワタクシmoriyなわけですが、その予言が当たったと言いたいわけではなく、むしろ「最終的にはホリエモン不出馬」を予言しておきたいわけです。
今回の解散総選挙に関しては自民党(というか小泉官邸)の広報センスが際立ってますね。まず「郵政民営化」を旗印に始めた政権だから「郵政民営化」をかけて解散する、というストーリーのわかりやすさがあって、最近の道路公団の不祥事・アスベスト被害などの個別のマイナスイメージが、一般的な既得権益勢力へのマイナスイメージになっているメディアの現状を背景に、党内の郵政民営化(個別の争点)反対派を「改革反対派=一般的な既得権益勢力」と色づけし、その色づけされた部分を一気に切り離すことで「新生自民党」をアピールする。
いまの(今後の、かな)日本政治の最大の対立は左派・右派とか、親米・親中とか、保守・改革とかではなくて「金持ちの年寄り」対「貧乏な若者」という世代間&所得額間闘争だと思ってるんですが、その中で、「金持ちの年寄り」から富を奪い取って金持ちになった(あくまでもイメージです)堀江氏は政治的にも若者のヒーローになりうる、という判断は非常に正しいと思う。
asahi.comによると[asahi.com]最初の案では「自民党公認 福岡1区 比例重複」だったそうで、そうなると福岡以外の選挙区でも自民党に入れる若者が多くなるはず。うまい。
でも、ですよ。堀江氏がこのまま政界進出するとは思えないのです。まだまだライブドアがイケイケの攻めモードにいるときに、社長であることを辞めるなんて信じられない。上場企業(しかもベンチャー)の創業社長が急に辞めるなんて会社解散と同じじゃん、という常識的な意味ももちろんあります。本人は辞めないと言ってるみたい[zakzak.co.jp]ですが、そういうところがまた信用できない。
おそらく最初の案では
福岡で出馬→落選→比例で当選→突如政界引退して社長業に専念→自民党の他の議員が繰り上げ当選
というようなストーリーがあり得たんだと思いますが、比例重複が無くなった時点で自民党側の目的は単なる話題づくりでしかなくなったため(広島で出ても刺客効果なんて実質ほとんどないでしょ)、堀江氏も自分の地元で恥をかくリスクを避け、無所属になって余計なしがらみをつくらず「当選リスク」を下げて、
広島で出馬表明→公示日30日までテレビに出まくる→将来の支持者である若者ファンをさらに増やす→なんかの理由をつけて(不安定な株価を材料に「株主重視」とかなんとか言って)急遽不出馬
というストーリーに変更したのではないかと。だとすれば対メディア的には選挙戦の相手は大物であればあるほどよくて、民主党相手の福岡より、亀井氏と戦ったほうがいい。
つまりは、将来の本気モードでの政界進出のリサーチも兼ねたトップ広報活動ということじゃないんでしょうか。ブロガー諸氏も今回はあんまり騒がない方がいいと思いますよ。
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