さて、携帯端末市場も盛り上がって参りました。サムソンだけでなくノキアもケータイにハードディスクを積んできました。技術の進歩の話をすると、先日日立からハードディスクの高密度化についての発表があって、今後数年で20GBのHDDだって載せられるくらいになるらしい。
こうなるとiPodがそのままケータイに載ることになるわけで、以前書いたように、身につけ度数が一番高いケータイに何でも詰め込めるようになるんじゃないか、と。「iPodキラーになれるか」といわれれば、実用(音楽を聴きつつ待ち受けもしている)で24〜48時間くらいの電池の持ちとiTunes(もしくはそれと同等の独自ソフト)との連携が取れるようになれば、すぐにでも置換できますよね。
電池がキツイかなあ。いざというときの通信手段である携帯電話のバッテリーを、連続的にHDDを動かす音楽プレーヤーとして使うことで消費してしまうのはもったいない。東芝の開発した「1分で80%充電できるリチウムイオン電池」(2006年製品化予定)を使ってこまめに充電するか、回転部分のないフラッシュメモリの大容量化を待つか。なんにせよiPodの優位性はあと数年のことではないかと。
そうなると困るのはアップルですね。性能的にも使い勝手でも同等のものがケータイに載ってしまうと、稼ぎ頭のiPodが売れなくなる。現状iPodの売れている理由(他社MP3プレーヤーとの差別点)って、音質とかAAC規格の優位性とかではなく、iTunesとの連携のしやすさとデザインだけだと思うんですが、連携ソフトはこの先他社のものもどんどん良くなっていくでしょうし、デザインもしかり。モノ自体はただHDDを入れたプラスチックの箱ですから、作ろうと思えば他のメーカーにも作れる。
さて、アップルがどう出るか。モトローラとやろうとしているのは、iTunesをケータイに載せて、せめてiTunesシェアだけは守ろうという戦略ですよね。
今回のMotorolaとの提携は、Appleの柔軟性が–依然として非常に限られたものであるにせよ–一段と高まっていることも指し示している。
っていうか、尻に火がついて焦っているといった方がいいんじゃないか。
契約の内容はわからないけれど、ライセンス料をそれなりに取るようにしているんじゃないでしょうかね。
iTunesを一種のOSとして考えると、思い出すのはMacOSの他社(インテルマシンとか)向けライセンスの話。結局それはかなわず、マイクロソフトはWindows95でPC向けOS市場を握り、Macは凋落していったわけですが、アップルが同じ轍を踏むとは思えない。iPodは持ち歩く機械であるという点で、PC向けOSよりもデザインの影響力が大きいけれど、デザイン性だけで市場が独占できるとも思えない。
iPodがウケている間にiTunesの載ったケータイを普及させ(デザイン面でも協力するとかして)、その上のいろんなソフトやサービス(iTunes Music Storeとか)で儲けるようにしないと、iPodではもう儲からない。そもそもiTMS自体は儲からないサービスみたいですから、それ以外にiTunesに載っかった、WindowsにおけるOfficeみたいなキラーアプリ(サービス)をこの2〜3年で出せるかどうか、そこでAppleの命運が分かれるような気がしますね。
ホームサーバ(それは必ずしもMacではなく、TiVoとかPSXみたいなもののような気がする)の世界で何かやってくれないかなあ。
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ipodの優位性はiTMSにあると聞いています。
欧米は日本のようにレンタルCDが普及していないためiTMSで楽曲がよく売れるそうで、購入した曲がiPodでしか持ち運べないのでiPodが確固たる地位を築いたらしいです。日本は別としてiTMSを超える音楽配信サービスが登場しない限り欧米でのiPodの独壇場は続くのではないでしょうか。
コメントありがとうございます。
なるほど、iPodとiTunesの連携だけではなく、iTunesとiTMSの連携も強みだ、という視点ですね。
そのレベルだと、MSN Music+WMP10との戦い、という面が出てくると思うんですが、ここでもAppleは優勢を保てるんでしょうか?そのうちWindowsマシンだとWMPだけが使える便利機能とかつけてきそうな気がしません?
ということはつまり、それ以前にiTMSが圧倒的な曲数を配信して、ユーザーを規格に縛り付けてしまわないといけないわけですね・・・。