前回は、アフィリエイトの全体の市場について「数年は持続もしくは拡大するだろう」というところで終わりましたが、続いてアフィリエイトの成功条件みたいな話をします。
商売の形態を、商品との関わりの強さで並べてみると、
自店舗仕入れ>フランチャイズ加盟>販売代理店>アフィリエイト>広告
てな感じかと。アフィリエイトは販売代理店と広告の間くらいですね。
「フランチャイズビジネスを学ぼう」さんのページでは、FC加盟の成功のポイントとして以下の3点が挙げられています。他人のシステムを使って商売する、という意味でアフィリエイトにも通じる話なのでまとめてみましょう。
- 収益性 –
投資回収期間(何年で元が取れるか)と商品ライフサイクル(その商品はいつまで売れ筋でいられるか) - 競争力 –
他の店やFCではなく、その店で買ってくれる理由(商品力・営業力・ブランド力など)はあるか - 立地適応力 –
どれだけいい立地に、そこに適した店を出せるか
これを前提に、リアル世界のFCや販売代理店とアフィリエイトとの重要な違いを挙げてみると、
- 初期投資がほぼゼロ
- 販促材料/ライセンスコストがゼロ
- 出店面積に限界がない
といったところです。
まず1.と2.について。アフィリエイトのコストと収入を因数分解してみます。
コスト=通信料+サーバ費用+ページ制作費
ページ制作費=人件費+設備(PCやソフト類)
人件費=時間×単価(スキル)
スキル:ITリテラシー、情報発信力
収入=販売手数料=商品単価×手数料率×販売数
販売数=訪問数×コンバージョン率
コンバージョン率:転換率。ここでは訪問(来店)者が実際に購入する割合
通信費は、常時接続を前提にすれば、日常インターネットを使う人であればゼロと考えていいでしょう。
サーバ費用は、契約しているプロバイダの無料分を使うなり、無料のBlogを使うなりすればゼロにできます。この「まんぼうライフ」ではロリポップで(←これもアフィリエイト)月263円+ドメイン登録料で月300円ちょっと。
ページ制作費については、blogとかであれば特にソフトとか買わなくてもブラウザで簡単に更新できますから、ほぼ100%人件費で考えていいでしょう。
つまり、コスト面で見ると「いかに短い時間で効果的なページを作成できるか」にかかっています。1日が24時間という制限は変えられませんから、本職で充分稼げる人はアフィリエイトなんてやってる時間がもったいない(=労働単価が高すぎて元が取れない)という場合があり得ます。
したがってページ制作の人件費を下げる工夫が重要になるわけです。これに関してもいろんなソリューションがすでに存在していて、簡単にリンクが作れるG-Toolsさんとか、楽天などは、ある条件で検索した結果のページの商品すべてに自分のアフィリエイトのコードを埋め込む「お手軽ジャンルカスタマイズ」という機能を提供しています。
ただ、こういった機能を活用して、どんどん手を抜いていくとどうなるか。
たまに、商品名とかでGoogle検索したとき、「ただアフィリエイトのリンクだけが並んだページ」って出てきませんか? しかもその他のページへのリンクがほとんどないやつ。
個人的にはそういうページに出くわしたら「ふざけんなゴルァ」と即「戻る」ボタンをクリックするんですが、みなさんはどういう行動を取るんでしょう? わざわざAmazonではなくGoogleで検索するというのは、その商品についてのいろんな情報が欲しいから検索するのに、ただアフィリエイトのリンクが並んでいるだけなんて。
値段が一緒ならとりあえずアクセスしちゃったページで買う、というパターンもあり得ます。あまりこだわらずに近くのコンビニで買っちゃう、みたいに、まわりに競争者が少なくて、なおかつ「とりあえずクリックして衝動買い」なお客さんがいる限りは成り立つスタイルですね。ただ、メジャーな商品の場合、そういうお手軽リンクがAmazonや楽天よりも検索上位に来ることはありません。(理屈はともかく、TVCMで流れている商品名で検索してみてください)
すなわち「ニッチを探して徹底的に手を抜く」というスタイルはありえる。ただし、競争者が多くなってきた場合(なにしろツールがそろっていて参入障壁がごく低いですから)、成功の条件の2番目「他の店やFCではなく、その店で買ってくれる理由」の点でアピールできないことが欠点になってくる。
・・・ちょっと長くなったので次回「アフィリエイトの消失点」に続きます。
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