アフィリエイトブームはゴールドラッシュか

一般紙にまで「アフィリエイト」っていう言葉が出てきてちょっとぞっとしている今日この頃なのです。最近でいうと2月1日には産経新聞(一般紙といっても第2グループですが)、2月4日には日経産業新聞(これは産業紙か)にアフィリエイトの話題が載っています。

いまさらながらアフィリエイトとは何かというと、Webサイトやメールマガジンなどに、特定の商品や店舗へのリンクをつけ、そのリンクを通じて購買が行われると、そのWebサイトやメルマガのオーナーに販売額に応じた手数料が支払われるという仕組みのこと。買う人自身にはなんの負担もありません。実際に参加する人からすると、成果報酬型の広告と見ることもできるし、コストゼロの販売代理店と見ることもできます。

去年の今ごろは「インターネットマガジン」とか「週刊アスキー」とかその手の媒体にしか出てこなかったことが、昨年中に関連本が続々出版(←これもアフィリエイト)されて、暮れ頃からオジさん向けの夕刊紙や雑誌に載り始め、今年に入ってついに一般紙にまで。

「ホームページ」ブームや「ニューエコノミー」ブーム、「ブログ」ブーム(これもそろそろ収束じゃないんでしょうか)などを横目で見てきたわたしとしては、すでに「アフィリエイト」もブームのピークを越えてるんじゃないかという気もするわけです。

こういうブームの場合、よく言われるのが「ゴールドラッシュでは、採掘に来た人間よりも、彼らを相手にツルハシやジーンズを売った人間が儲かった」という話。ブームの対象そのものではなくその周辺で商売した方がいい、という原則ですね。アフィリエイトの話についていえば、本を書いている連中くらいしか儲からないんじゃないかと。

ここでアフィリエイトに関して各プレーヤーをゴールドラッシュに重ね合わせてみましょう。

  • 金(ゴールド):購入者(の購買にともなう手数料収入)
  • 鉄道・ホテル:プロバイダとかSixApart
  • ツルハシ・リーバイス:アフィリエイトプログラム・ツール提供者
  • 採掘者:アフィリエイター
  • 採掘場の権利者:スポンサー企業

という感じでしょうか。

さっき、本を書くような「スーパーアフィリエイター」のことに触れましたが、こういう人たちはツルハシ屋でもあるかもしれませんけど、それ専業ではなく、結果を出した採掘者でもあることに注意が必要です。ゴールドラッシュの時も、うまく金鉱脈を探し当てて金持ちになった人間がいたはずですからね。金を掘り当てた儲けを元手にツルハシ屋を始めたようなイメージかな。

鉄道やホテルといったインフラを提供しているのは各プロバイダやポータルだったりするわけですが、ほとんどが無料化の圧力を受けて料金は下がり、設備は増強しなきゃいけないけど単独で儲かることはないという状況だと思います。

アフィリエイトを簡単にするツールはいろいろありますね。ああいうツールを作っている人はそれなりに儲かりそうな気がしますが、実際競争状況ってどうなんでしょうね?

採掘場の権利者っていうのは、そのアフィリエイターに「掘ってもいいよ」と採掘権を与える権限を持っているという意味です。この人たちが「もうアフィリエイトなんてやめた」と言いだせばアフィリエイターは絶滅せざるを得ません。

さて、アナロジーでいけばこういう構造なんですが、問題なのは「金(ゴールド)は無限か」そして「十分な広さの採掘権が得られるか」ということです。リアル世界では土地も金鉱石も有限ですが、ネット世界ではどうなのか。ここでゴールドが無限(すくなくとも「継続的」)だとすれば、アフィリエイターにも充分未来はある。

話はずれますけど、雑誌に取材を受けているスーパーアフィリエイターさんって、けっこう1日6時間とか8時間とか、長時間サイトのメンテナンスしてたりしますよね。どうしても在宅でないといけない場合(子育て中とか、なにかの事情で引きこもり中とか)はあると思いますが、可能なのであればその時間まともに会社勤めするとか、リアルな販売代理業とかしたほうが稼げそうな気もするんですよね。うーむ。

とりあえずしばらくアフィリエイトの話を、以前からの広告価値の話とからめて書いてみます。次回に続く。


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2 Comments

  1. ブロガー(志望)

    お邪魔します。
     もう一つ「物の値段は、需要と供給のバランスに
    よって決まる」のではないでしょうか。「新大陸から
    略奪しまくったせいで、銀の価格が暴落した」という
    のを世界史の参考書で見た記憶があります。

  2. moriy

    コメントありがとうございます。
    翻訳すると「アフィリエイト収入は、アフィリエイト経由のネット取引の量とアフィリエイターの数で決まる」って感じですかね?
    アフィリエイター(アフィリエイト目的のページ)がどの程度まで増えるのかわかりませんけれど、楽天のお手軽ジャンルカスタマイズなんかを見るともうだれでもできちゃいますよね。

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