なにわバタフライ | |
---|---|
日時: | 2005年1月21日(金)19:00開演 |
会場: | 渋谷・パルコ劇場 |
作・演出: | 三谷幸喜 |
出演: | 戸田恵子 |
料金: | 8,000円(税込) |
三谷さん作の舞台を見るのは、松たか子さん時代の『オケピ!』以来です。ホントにチケット取れませんものね。運良く買えたチケットなのに、当日仕事に追われて(ふざけんなチクショー)、劇場についたのは19時ちょい過ぎ。楽しみにしていた三谷氏の開演前ナレーションが聞けず。ものすごくガッカリしながらJ列25番。
舞台上は楽屋風のセット。上手にお花、奥にソファーと座布団(この辺のモノがいろいろと使われるんですが、ギャグのネタバレになるので自粛)、下手に鏡台。
作品のモチーフになったというミヤコ蝶々さん、私はまったくリアルタイムで見た世代ではないのです。会場にいたほとんどの人がそうだったんじゃないでしょうか。自伝(『おもろうて、やがて哀し。』とか。ほとんど絶版みたいですが)でも読んでから行った方がいいのかとすこし不安ではあったのですが、何の予備知識なしに観ても楽しめます。
喜劇女優が晩年、自分の人生についてのインタビューに応える、という設定で話は進みます。女優の自伝ですから当然ですが、あまりナンセンスな展開もなく、昭和初期からの芸人人生がギャグを織り交ぜながら続いていきます。途中主人公がヒロポンにおぼれるというくだりや、元夫との別れのシーンなどがあるんですが、泣きの演出が過剰になることもありません。結局なんとなく「いろいろあったんですねえ」と円満に終わるかと思った最後の20分くらいで急展開。「強い女とダメ男」「女と仕事と家庭の幸せ」といった対立を観客に突きつけてきます。
流行りの「勝ち組・負け犬」みたいなのを意識して作ったのかどうか、女性にはグサッと来るセリフの連続だったのかも。個人的には「ホンマの自分なんて知りとないんじゃ」という呟きが耳に残りましたね。
主人公の語りがすべてなので、ストーリー(その世界で起こること)はすべてその女優に都合良く展開するわけです(言ってみれば全編「言い訳」ですな)。「自分はいつも惚れられた」「なのに男に捨てられた」とセリフではいいながら、観客には「でも実は自分が誘っていたじゃない」「自分が相手に耐えられなくなったんでしょ」「『仕事のため』『アンタのため』は言い訳じゃないの?」と「ホントの主人公」に心の中でツッコミを入れさせるあたり、戸田さんの演技と三谷さんの脚本・演出のすばらしさだと思います。負け犬を自覚している人は、逃げ道を完全にふさがれて終演近くには満身創痍でしょう(^_^;)。
でも最後には明るく終わりますので大丈夫。ラストは「負け犬だろうが何だろうが気にしないで、もっと自分のリアルな人生楽しもうよ!」というメッセージだと思います。
さて、2月の大阪ではどんな評価になるんでしょうね。もし行かれる方いたらコメント・トラックバックしてくださいませ。
関連ページ
- なにわバタフライ / パルコ劇場 from +++ ココロ舞、ココロオドル +++ (ネタバレ注意)
- 『なにわバタフライ』 from こんなものを買った。
クリック募金でちょっといいこと。(クリック募金とは?)
【クリック募金】盲導犬の育成を支援しよう(価格.com)
【クリック募金】日本で暮らす難民をサポート(味の素)
【クリック募金】焼き畑から循環型農業へ(コスモ石油)
こんなネタもどうぞ:
- 輝け!2019年クリスマスに何か丸ごと食べる大会
- 刀剣の第一発見者になった話(その1)
- 刀剣の第一発見者になった話(その3)
- 刀剣の第一発見者になった話(その5)
- 刀剣の第一発見者になった話(その2)
なにわバタフライ / パルコ劇場
作・演出 三谷幸喜 出演 戸田恵子 (概要) 浪速の名女優、ミヤコ蝶々をモチーフ
はじめまして。舞です。
TBありがとうございました。
>満身創痍
まったくそのとおりですね(笑)
三谷さんの脚本は、ちくりちくりそういうところがありますよね。
人間観察がするどいなあと思います。