スマトラ地震と義援金の使い道の話

ホントに地震ばっかりはどうしようもない。何十年に一回というような地震の被害に対して「準備していなかったアンタが悪いでしょ」とは誰も言えないと思う。

スマトラ沖地震、邦人11人の死亡を確認 (日経)

南の島のビーチで寝ころんだ経験というのが一回だけあって(日焼けでひどい目にあった)、そのときのことを思い返してみるんですが、「あのとき、いきなり潮が退き始めたとして、避難できたか」と考えると、非常に自信ないです。

10×10でも「tsunami」「quake」なんて言葉と現地の写真が並んでいて、呆然とします。
(参考:100枚の写真がトコロテンのように現実をスライスする

一方で「呆然とする」ほどの情報が日本にいながらにして入ってくるというのもすごい話で、メディアの力にも圧倒されます。日本人旅行客が水浸しになった被災地やビーチの様子をビデオカメラで録っていて、「えー、たいへんなことになっています」とかいう本人の声が入っていて、その人がマスコミの取材に答えていたりするのを見ると、すでに一億総ジャーナリスト時代が来ている感じがします。

上の日経の記事では「最終的な犠牲者は8万人を超える見通し」と言ってますが、集計している人も気が滅入ってるでしょう。これでまた伝染病や栄養不良の影響が出てきたらさらにひどいことになってしまいますね。

日本赤十字で義援金募集始めています。これもどんどん「祭り」にしていきましょう。ヘンに自粛ムードになることもないと思いますけど、いつもより高いかまぼこを買ったつもりで募金するのもよいでしょう?

募金といえば中越地震の義援金の配分基準が検討されています。(あ、募集が終わったわけではないのでご注意を)

人的被害
死者 200,000円
重傷者 100,000円
住家被害
全壊 2,000,000円
大規模半壊 1,000,000円
半壊 250,000円
一部損壊 50,000円

単純に住む家の建築費に200万円プラスは意味があるような気がするんですが、生活基盤そのものがこわれてしまった人にとっては焼け石に水なのかも。

被害総額は3兆円、という新潟県の試算(新潟県朝日新聞)に対して、義援金総額は12月27日現在で11,045,486,773円 。「100億も」と考えるか「たった100億」と考えるか。総額で言うと阪神・淡路大震災(被災者連絡会)より少ないですが、一世帯当たりの分配額で考えると多い。ちなみに航空自衛隊の戦闘機が一機だいたい100億前後です。比較に意味があるかどうかわかりませんけど、税金ってケタ違いの集金システムだなあ、と。(当然のことながら上記の「100億」に税金による公的救済は含んでいません)

阪神淡路の時も思いましたが、資産運用的な考えで行くと、大きなおカネってそれだけでインパクトありますから、細かく分配するより大きなままで活用する方法があればそのほうがいいんですよね。

たとえば、この100億で被災地域の人が共通して使えるインフラ整備に使うとか、新しい産業を興すとか。代理店雇ってこの先1年間徹底的に広報活動を行うとか。24時間テレビって一回に約10億円弱の募金が集まりますが(コストはもっとかかってるか(^_^;)?)、協力してくれるメディアを集めて支援イベントを毎月行うとかね。

まあそうなると「だれが使い道を決めるんだ」とか「A代理店とB代理店どっちに落ちるんだ」とか、利権と腐敗の問題も出てくるんですよね。だから国が税金でやるのか・・・。

そう考えると、税金に比較した義援金のメリットって「使い途が最初から決まっている」→「募金=委任なのでその後の方針決定が比較的簡単」→「支援(支出)までの時間が短い」ということにあるような気がしますから、そのメリットを生かすなら「当座の生活支援」のために使うべきで、「その後の生活再建」のために使うものではないんでしょう。

今回のスマトラ地震の場合、「当座の生活支援」だけでも相当大変そうですけど、さらに税金使ってでもやったほうがいい「その後」につながることがありますよね。

津波警報システム整備、政治などの問題が障害=専門家 (ロイター)
インド洋の津波警報システム、政府が技術支援へ (読売)
スマトラ地震: 防災会議 政府が警報システム導入提言へ (MSN毎日)

技術支援だけではなくて、経済・政治的な協力もするべきでしょう。防災会議に小泉首相が出て(っていうかいますぐでもいい)、具体的にこれをやる、と方針さえ示せば国内・国外ともに支持率アップすると思うんですが。


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