TiVo Will No Longer Skip Past Advertisers(もはやTiVOは広告主を早送りしない)
しまった。調べ物をしている間にITmediaで日本語での記事が出てしまった。こっち読んでください。
TiVOというのは、「スゴ録」とかのHDDレコーダーのアメリカ版だと思って下さい。昨年の記事ですが、ITmediaの「DVRの“事実上の標準”になるか——全米を虜にした「TiVo」の秘密」が参考になります。
で、このTiVOがCMスキップ時に自前の「ビルボード」という広告を出したり、ユーザーの使用状況をマーケティングデータとして利用しようとしているという話なんです。で、ゆくゆくはTiVOを通して通販とかもできるようにもすると。これはTV画面で見る広告のありかたをひっくり返すんじゃないか、というのがだいたいの内容です。言ってみれば、日テレやフジテレビではなく、ソニーや松下がTVCM事業を始めたようなものですな。
タイムシフト(見たい時間にテレビを見る)とかCMカットに関する論争って、それこそソニーのベータマックスの時代からのことで、何をいまさらという感じがするんですが、最近またやたらといわれるようになってきましたね。
12億ドル - HDDレコーダーで現在飛ばされているアメリカのTVCMの総額 (ヌーベルブログ)
CMカット機能「著作権法違反も」 (asahi.com)/(民放連の会見録)
テレビコマーシャル時代の終焉(ITmedia – どちらかというと「CMは著作物として一体のものか」という議論ですが)
なぜいまこういう話が出てきているのか。
日経ビジネスの2004.11.8号が「もうCMでは売れない」という特集をやってます。ポイントは
- もう若者はテレビではなくネットを購買の判断基準にしている(CMに入るとネットへのアクセスが増えるんだとか)。
- HDDレコーダーの普及で、たとえ人気番組を見ているとしてもCMは飛ばされている。
- CMの作り手はいまだに派手なCM、芸術的なCMを指向している。
- 実際にCMを見ている高齢者はイメージCMよりも商品説明を求めている。
CMカットは既存の問題ですから、ここ20年の実質的な変化は「インターネット」と「高齢化」ですね。
そういう背景があって、CMの効果というのが薄れ(と広告主は思い始めて)、メディアの広告モデルというのが大きく崩れてきていると。しかも技術の進歩によってチャンネルの数は増大し、有限な電波資源の独占を基盤とした「最後の規制産業」放送業界は既得権益を守るべく盛んに声を出している・・・。まんまローレンス・レッシグの本の中身ですな。
Ideal Breakの「放送法を改正しないと、広告収入による民間”無料”放送は危機的状況に陥るゾ」にあるように、厳密には広告と番組内容は明確に分けなければいけないわけですが、実際にはすでにその境目はわからなくなってきているのではないかと。たとえば夜中の通販番組とか、グルメ番組とか、いわゆる「情報バラエティ」なんてみんな広告みたいなもんでしょ。
この流れが進むとどうなるか、という話はネット広告の話や新聞雑誌の「ペイドパブ(広告記事)」の話とからませながら次回に続きます。
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