先日マンボウ関連リンク集にも入れました、まんぼう4155さんの「まんぼう生活」を読んでいると、世の中をなめてる学生と、それを身近で見て歯がゆく思う大人のギャップが随所に出ていて面白いんです。(まんぼう4155さん、中越地震の応援で長岡まで行ってらしたそうです。詳しくはリンク先を)
まんぼう4155さんは就職課で学生の相談に乗る立場ですから「勝手にしろ」と突き放すわけにも「おまえはこうしろ」と決めつけてしまうわけにもいかないので、たいへんだと思います。
わたしも世の中をなめてた学生のひとりだったわけですけれど、いまあの当時の自分を振り返ってみて、「自己分析が大事だ」とか「適職とは」みたいな話を学生にするのはちょっと無理じゃないか、と思うのです。それまで「子ども」「学生」という身分で、少なくとも年齢だけは横並びの社会で生きてきて、仕事体験なんていってもせいぜいアルバイトどまり。最近はインターンシップなんてのがあってうらやましいですけど、受け入れる方から見ているとそこもやっぱりお客さま扱いなところがあって、その経験から自分の職業観を持てっていわれてもなあ、という感じ。
大学4年のときにインターネットというものと出会って、大学のUNIXの端末からイギリスにメールを送ったら2日後に返事が返ってきたという経験がものすごいことに思えて、「インターネットは世の中を変える!」と、通信やメディア各社の就職面接に行っては「ネット使えばこんなコトできるんじゃないですか」という話をしまくってました(とはいえ、そんなアイデアは数年のうちにアマゾンやGoogleが実現してしまったわけですが)。某通信会社に入ったはいいけれど、実際自分で主体的にサービスに関われるようになったのは就職5年目くらいからで、もう数年早く、ネットバブルに乗っかっていればもうちょっと楽しめたかもなあ、などと思ったりして。
何が言いたいかというと、「こういう仕事がしたい」といってサラリーマンになったとしても、組織と折り合いを付けつつ思い通りに仕事をするようになるには相当の運と努力が必要なわけで、またそうしてもがいているうちに、いろんなものが見えてきて、「学生の頃の自分は世の中をなめていたなあ」と気づくわけです。
最近読んだ大久保幸夫さんの『仕事のための12の基礎力』のなかに、こんなフレーズが。
「初めは筏下り型で行きなさい。それからしばらくしたら山登り型に切り替えなさい」
キャリアアップという言葉がありますが、最初の就職の時点で上の方にある頂上(目標)が見えていることなんてまずなくて、最初はまず激流につっこんでいって、岩や滝壺をなんとか切り抜けながら、自分のしたいこと、自分に向いている仕事を見つけなさい、という意味です。こういうことを自分が学生の時に言ってくれる人がいたらなあ。
この本、題名の通り仕事に必要な普遍的な能力を12に分類してわかりやすく教えてくれるわけですが、それぞれの基礎力を年代別に整理してあるのが新しい。
- 反応(リアクション)力 – 10〜20代
- 愛嬌力 – 10〜20代
- 楽天力 – 10〜50代
- 目標発見力 – 10〜40代
- 継続学習力 – 20〜30代
- 文脈理解力 – 20〜40代
- 専門構築力 – 30〜40代
- 人脈開拓力 – 30〜50代
- 委任力 – 30〜40代
- 相談(カウンセリング)力 – 40〜60代
- 教授力 – 40〜60代
- 仲介調整(コーディネート)力 – 40〜60代
それぞれの詳細は買って読んでください。リクルートでキャリアマネジメントの研究をしてきた人の言葉で説得力ありますし、文章もとてもわかりやすいです。
今年になって人事異動でネットとは関係のない職種になってしまって(こういうこともあるのだよ学生諸君)、学ぶことも悩むことも多いこの頃なので、ものすごく影響受けました。20代後半〜30代の人にもおすすめの1冊であります。
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