祖母の形見として私の手元に来た、錆びだらけの短刀。(前回から続いています)
日本には銃刀法という法律がございまして、基本、刀とか銃を所持してはいかんのですよ。
じゃあ包丁はどうなのよというと、包丁は料理という目的があって、その目的のために持ってるならOK。そういう正当な理由がなく、刃渡りの長い刃物を持ち歩くのはよろしくないわけです。
参考:刃物の話/警視庁[keishicho.metro.tokyo.lg.jp]
で、刃渡り20cmくらいある、料理用でもない刃物なんですが(本来の目的で言えばなんらかの殺傷用だ)、形見として所持したい場合はどうしたらいいか。できれば錆を取ってきれいにしてもらって、そのまま保存しておきたい。
ハードルは大きくふたつあって、
- 地元の警察に届け出て、発見届出済証というものを出してもらう
- 教育委員会(わたしなら東京都の)に審査してもらい、美術的な価値があると認めてもらう
これをクリアしないと、そもそも研ぎにも出せない。世間で出回っている刀剣類は、ちゃんと教育委員会の登録があって、登録証と一緒に流通してるわけです。
このへんの段取りは、東京都のページに詳しく書いてあります。
参考:銃砲刀剣類を発見したとき [kyoiku.metro.tokyo.lg.jp]
このあたりまで調べて、2月末、地元の警察署に電話して、「祖母の形見の中に短刀が見つかりまして・・・」と相談してみます。
いまさらの話ですけど、警視庁のWebサイトとかみても、代表番号に営業時間とかって書いてないんですよね。
朝の8時台に電話してみたら、ちゃんとつながります。24時間営業。おつかれさまでございます。
「いま在宅ですか?」「はい」「じゃいまから向かいます」
え、来るの?
なんとなく近場の警察署に持って行くことを想像してたんですが、持って行く時点で所持運搬しちゃってるのでダメってことなんでしょう。警察署の方から、受け取りに来てくれました。しかも電話から10分もかかってない。おそろしい即応体制。
玄関を開けると、刑事ドラマで見るような鑑識の制服を着たお兄さん。うわ、本物だ。現場検証だ。
「発見場所は?」
発見・・・と言われたら、もともとは祖母の家で祖母なり親類なりが見てはいただろうけど、説明がめんどくさくなるので、自分が見た場所、ということと解釈して、「この部屋の中です」。
「何かに入っていたんですか?」
んー、まあダンボール箱か何かには入っていたと思うんですが。
「その箱ありますか?」
どうも、その発見現場を記録として写真に残さないといけないらしくて、「この場所」で「この箱」に「この刀剣」が入っていた、と明確にする必要があると。
「じゃ、その箱に『ここです』みたいな感じで指さしてもらえますか?」
と言われてそれっぽいポーズを取り、写真を撮られて第一発見者のできあがり。
(いや、すごく省略して書いてます。ホントはもっとちゃんとしてます)
いろいろと発見の状況であったり、実物の確認だとかをした上で、例の短刀は警察署の預かりになります。
2週間ほどして、警察から発見届出済証ができたから取りに来て、という連絡が。
今回は警察署まで取りに行きます。こんな書類を渡されて、これで仮に持ち歩きOKになりました。